2002年7月19日のソネット小林氏の掲示板書き込み
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投稿時間:02/07/18(Thu) 19:00
投稿者名:小林博昭
タイトル:同じ穴のムジナ


イーアクセスの小幡さんがソフトバンクのAnnexAのEcho Cancellation方式を自分たちのFBMのEcho Cancellation方式より
他の回線に対して影響が甚大であるような書き方をしているがこれはおかしなことです。Echo Cancellationの方式はどちらも25KHzからの帯域を利用するもので、そこに上りの帯域が
存在するから上りと下りを同じ帯域で動作させるために一方の信号をCancellしなければならないのです。
三次元トレリスコーディングの採用によりS/N比の向上を図り、1キャリヤーの1Hzあたりの伝送ビットを15ビットにする、ここまでの技術で12Mが出ることで済めばよい。しかしそれだけでは駄目だから従来の上り信号帯域を下りにも使おうとするとAnnexAとAnnexCは他への干渉という面では同じ穴のムジナです。

(説明の中でひとつのサブキャリヤーで15ビットに近づけるというは間違いで、これはひとつのサブキャリヤー4000Hzぐらいの1Hzあたりの変調して送るデータを15ビットにするということです。ひとつのキャリヤー(4KHzです)で実質11から12ビットではなく ひとつのキャリヤーの1Hzあたりに載せるデータが正しい、まあ、こんなことはどうでもいいか)

この問題はDMT方式が発表された当時からある問題でFDM(Frequency Division Multiplexer)方式を使うか、Echo Cancellation方式を利用するか議論があったところです。技術的にも簡単なのでFDM方式(上りと下りをダブらせない
周波数で利用帯域を分ける方式)を使ってきたものです。
Echo Cancellationの技術がチップ技術の進化とともに容易になってきたためにこの技術を応用しようということになってきました。V.34の音声帯域モデムなどはEcho Cancellationの技術です。

要するにこの技術を使う以上25KHzから138KHzの上りの帯域には影響は避けられない。しかし、どの程度かということになるとAnnexAはだめでAnnexCはよいなどということは言えないのです。

私が1995年に品川プリンスホテルで1.5MのCAP方式のADSLで映画を送るデモをやったとき1000部ほど発行したADSL説明書にもFDM(Frequency Division Mux)方式(FBMとはまったく異なる概念ですから)とEcho Cancellation方式さらに現在のAnalog Devices社のDSL技術の源であるAware社という会社のDiscrete Wavelet Multitone 技術などの紹介をしました。このときにも同じ問題(他への影響)が議論されていたことを思い出します。
ISDNの320KHzを越えて1000KHz近隣まで出す不要の信号の
大きさの方が遥かに大きな雑音源ということを皆さんは御存知ですか?ISDNは320KHzまで使い144Kbpsの通信を行うピンポン伝送です。その逆手を取りポンピン伝送して干渉を避けているのがAnnexCです。
AnnexAとAnnexCで喧嘩するより、ISDNの雑音を何とかしろというの。
もっともイーアクセスさんでもGlobeSpanのチップも検討していると風の便りに聞きますから。要するに何でもありの世界か。
ISDNなんかヤメロと言ったらNTTさんが怒るかも。何しろ地方では「ようやくISDNが2ヶ月前に入りました、遅いけど何もないから仕方がない」という地域が沢山あるのです。
ISDNのことをとやかく言ってもTTCができるよりももっと昔にISDNがあったからしかたないか。

チップメーカもアナログデバイセズが一生懸命で混迷の時代です。
しかし、これが進歩の原動力です。皆で競い合わせ喧嘩させましょう。長談義ですみませんでした。
2002年7月19日のソネット小林氏の掲示板書き込み