2002年8月26日のソネット小林氏の掲示板書き込み
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1999年 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月
投稿時間:02/08/26(Mon) 15:55
投稿者名:小林博昭
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タイトル:Annex Cの嘘と本当


編集長殿
結構長いのですがお許しください。未発表の内容です。


日本のAnnex CはITU-T(国際標準)に合致しない日本風風味

論争よ、巻き起これ、なんては思っていないのですが。


嘘のような本当の話。ISDNとの干渉が少ないとしてNTTの音頭とりで
現在使用しているADSL装置(Annex C)は国際規格であるITU-T規格に
は合致しない日本風AnnexCであることが次第に表面化しようとしてい
ます。ざっと数えただけで10に及ぶ非標準があります。AnnexCが「日
本風風味」というのはチップ製造業界の公然の秘密です。ITU-T規格
準拠が日本でADSLサービスを行なう場合の憲法としているのがTTC(I
SDNと仲良しこよしの東京テレフォンクラブの略と思っていました。
^O^)と理解しています。TTCはITU-Tに準拠しないAnnexCのモデム
を使っている巨大ISPの皆さんにそのモデムを準拠させるか、撤去す
るよう要求するべきです。またはAnnexCがITU-T規格を満足していな
いからAnnexAも規格外OKとするべきでしょう。AnnexAを推進してきた
今は亡き元東京めたりっく通信の立場からすれば、ITU-T規格準拠の
厳守を要求するTTCに対して既に設置稼動中の全てのAnnex Cモデムを
ITU-T規格に修正するまで利用を停止(本当は出来ない相談かもしれ
ません)するよう要求する。(ここまで言うと、ちょっとジョークぽ
いかも)A企業、B企業とAnnexCのチップを主体に作ってきたメーカー
には日本の出資者も多いのだそうで、大規模な手直しとなれば景気の
悪い時節柄仕事が増えます。AnnexCは全部交換などとなるとその前に
ISPの経営に問題が発生するかもしれません。そのAnnexCのチップ
メーカーが技術的ミステイクのチップにAnnexCを仕上げてしまった、
それを利用するだけのISPは自分の使う機械が国際規格に合っていな
いことを知らなかったとはなりません。(あくまで建前)AnnexAのEC
を利用しているヤフーBBのサービスが他回線への影響問題に関してTT
Cで議論になっているようですが、これもチップメーカーの問題では
なく、ヤフーBBの問題として議論されています。即ち、チップが本来
の標準準拠に外れていることに関しては利用者である私(ISP)は責
任がないと言えないのと同じ理屈です。

日本で使われている
AnnexCは国際規格であるITU-T標準に準拠していない。それでは何故
こんな「ウソのようなホントウ」が起きてしまったのか?「このAnne
xCが目に入らぬか!」と、金科玉条のごとく、水戸黄門の印籠のよう
に振り回して採用してきたITU-T標準であったはずのAnnexCが実はと
んでもない調子外れの代物だったということ。A社のAnnexCとB社の
AnnexCが互換性がなくハンドシェークしなかったという話はよく聞く
話です。TTCでの論争を見ているとAnnexAグループとAnnexC信奉グル
ープの論争のように見えます。「自分(私のAnnexC)はNTTのISDNと
仲良しこよしであり、ISDNと相容れないAnnexAは邪教である」と、宗
教戦争をしているように見えるTTCの議論。これは偏りすぎた見方か

少し技術的な論理を言います。
著名なチップメーカー(複
数)がITU-T規格に規定されたAnnexCの仕様に正しく準拠してチップ
を作ったところ日本で使われているAnnexCと通信ができないことが判
明した。
つまり、ITU-TのAnnexC標準では規則に従い(分かり易
く言うと)「右に曲がれ、左は危険、滝壷あり、次は左に曲がれ,右
には肥溜めあり」と記述してあるとしましょう。日本で使われている
AnnexCは滝壷に落ち、肥溜めに落ちる仕様となっているということで
す。従って正しくITU-T規格に従って作ると日本のAnnexCとは接続し
ない、という驚くべきことが分かったのです。
10を超える不整
合の一部分を少し技術的に言うと、CRC1とCRC5という部分あります
。電話局側のモデムと宅内のモデムが通信を確立するとき制御手順(
プロトコル)に従って相互にやり取りをしますが、日本で使われてい
る日本仕様のAnnexC ADSLはこの最初の接続する部分でやり取りする
情報すべてをデータとして計算してCRC(Cyclic Redundancy Check)の
数字を算出してしまっているミスが存在するのです。ITU-T 標準では
プリアンブルと呼ばれる部分は除くとしている。つまり、日本の全て
のAnnexC規格モデムはITU-Tの規格外なのです。自分(日本風風味のA
nnexC)は「12個のデータ送ったよ」、と相手モデムに言うと(ITU-T
規格にキチンと準拠している)相手のモデムは10個データを受け取っ
たので、「なぬ!12個、????」となるわけで「違うよ」と返すこ
とになります。これを延々と繰り返すとつまり接続ができないことに
なる訳です。
そこでどんな事をするかというと、日本風味のAnne
xCと合わせるためにはわざわざITU-Tの規格外の日本風AnnexCに変更
し、本当は違うのだけど、まあ、NTTも使っているから真実の仕様で
はないが「長いものには巻かれておこう」という接続をするわけです

つまり、東京テレホンクラブではなく、通信技術委員会TTCと
してITU-Tの国際規格準拠を守るべき憲法とするのが基本であること
をまず確認すること。AnnexAとAnnexCの「目くそが鼻くそを笑う」議
論とならないために、本当のITU-T規格で作るメーカーの製品とは互
換性を持たない、国際基準に準拠しない、しかし普及してしまった日
本風AnnexCをどうするかと言う事をまず議論しておかねばならないで
しょう。
2002年8月26日のソネット小林氏の掲示板書き込み