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        | 投稿時間:02/08/26(Mon) 15:55 投稿者名:小林博昭
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 タイトル:Annex Cの嘘と本当
 
 
 編集長殿
 結構長いのですがお許しください。未発表の内容です。
 
 
 日本のAnnex CはITU-T(国際標準)に合致しない日本風風味
 
 論争よ、巻き起これ、なんては思っていないのですが。
 
 
 嘘のような本当の話。ISDNとの干渉が少ないとしてNTTの音頭とりで
 現在使用しているADSL装置(Annex C)は国際規格であるITU-T規格に
 は合致しない日本風AnnexCであることが次第に表面化しようとしてい
 ます。ざっと数えただけで10に及ぶ非標準があります。AnnexCが「日
 本風風味」というのはチップ製造業界の公然の秘密です。ITU-T規格
 準拠が日本でADSLサービスを行なう場合の憲法としているのがTTC(I
 SDNと仲良しこよしの東京テレフォンクラブの略と思っていました。
 ^O^)と理解しています。TTCはITU-Tに準拠しないAnnexCのモデム
 を使っている巨大ISPの皆さんにそのモデムを準拠させるか、撤去す
 るよう要求するべきです。またはAnnexCがITU-T規格を満足していな
 いからAnnexAも規格外OKとするべきでしょう。AnnexAを推進してきた
 今は亡き元東京めたりっく通信の立場からすれば、ITU-T規格準拠の
 厳守を要求するTTCに対して既に設置稼動中の全てのAnnex Cモデムを
 ITU-T規格に修正するまで利用を停止(本当は出来ない相談かもしれ
 ません)するよう要求する。(ここまで言うと、ちょっとジョークぽ
 いかも)A企業、B企業とAnnexCのチップを主体に作ってきたメーカー
 には日本の出資者も多いのだそうで、大規模な手直しとなれば景気の
 悪い時節柄仕事が増えます。AnnexCは全部交換などとなるとその前に
 ISPの経営に問題が発生するかもしれません。そのAnnexCのチップ
 メーカーが技術的ミステイクのチップにAnnexCを仕上げてしまった、
 それを利用するだけのISPは自分の使う機械が国際規格に合っていな
 いことを知らなかったとはなりません。(あくまで建前)AnnexAのEC
 を利用しているヤフーBBのサービスが他回線への影響問題に関してTT
 Cで議論になっているようですが、これもチップメーカーの問題では
 なく、ヤフーBBの問題として議論されています。即ち、チップが本来
 の標準準拠に外れていることに関しては利用者である私(ISP)は責
 任がないと言えないのと同じ理屈です。
 
 日本で使われている
 AnnexCは国際規格であるITU-T標準に準拠していない。それでは何故
 こんな「ウソのようなホントウ」が起きてしまったのか?「このAnne
 xCが目に入らぬか!」と、金科玉条のごとく、水戸黄門の印籠のよう
 に振り回して採用してきたITU-T標準であったはずのAnnexCが実はと
 んでもない調子外れの代物だったということ。A社のAnnexCとB社の
 AnnexCが互換性がなくハンドシェークしなかったという話はよく聞く
 話です。TTCでの論争を見ているとAnnexAグループとAnnexC信奉グル
 ープの論争のように見えます。「自分(私のAnnexC)はNTTのISDNと
 仲良しこよしであり、ISDNと相容れないAnnexAは邪教である」と、宗
 教戦争をしているように見えるTTCの議論。これは偏りすぎた見方か
 ?
 少し技術的な論理を言います。
 著名なチップメーカー(複
 数)がITU-T規格に規定されたAnnexCの仕様に正しく準拠してチップ
 を作ったところ日本で使われているAnnexCと通信ができないことが判
 明した。
 つまり、ITU-TのAnnexC標準では規則に従い(分かり易
 く言うと)「右に曲がれ、左は危険、滝壷あり、次は左に曲がれ,右
 には肥溜めあり」と記述してあるとしましょう。日本で使われている
 AnnexCは滝壷に落ち、肥溜めに落ちる仕様となっているということで
 す。従って正しくITU-T規格に従って作ると日本のAnnexCとは接続し
 ない、という驚くべきことが分かったのです。
 10を超える不整
 合の一部分を少し技術的に言うと、CRC1とCRC5という部分あります
 。電話局側のモデムと宅内のモデムが通信を確立するとき制御手順(
 プロトコル)に従って相互にやり取りをしますが、日本で使われてい
 る日本仕様のAnnexC ADSLはこの最初の接続する部分でやり取りする
 情報すべてをデータとして計算してCRC(Cyclic Redundancy Check)の
 数字を算出してしまっているミスが存在するのです。ITU-T 標準では
 プリアンブルと呼ばれる部分は除くとしている。つまり、日本の全て
 のAnnexC規格モデムはITU-Tの規格外なのです。自分(日本風風味のA
 nnexC)は「12個のデータ送ったよ」、と相手モデムに言うと(ITU-T
 規格にキチンと準拠している)相手のモデムは10個データを受け取っ
 たので、「なぬ!12個、????」となるわけで「違うよ」と返すこ
 とになります。これを延々と繰り返すとつまり接続ができないことに
 なる訳です。
 そこでどんな事をするかというと、日本風味のAnne
 xCと合わせるためにはわざわざITU-Tの規格外の日本風AnnexCに変更
 し、本当は違うのだけど、まあ、NTTも使っているから真実の仕様で
 はないが「長いものには巻かれておこう」という接続をするわけです
 。
 つまり、東京テレホンクラブではなく、通信技術委員会TTCと
 してITU-Tの国際規格準拠を守るべき憲法とするのが基本であること
 をまず確認すること。AnnexAとAnnexCの「目くそが鼻くそを笑う」議
 論とならないために、本当のITU-T規格で作るメーカーの製品とは互
 換性を持たない、国際基準に準拠しない、しかし普及してしまった日
 本風AnnexCをどうするかと言う事をまず議論しておかねばならないで
 しょう。
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